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「それ、嫌」
握った腕を振りほどこうと、弓槻が力を入れる
それを遮って引寄せる
ふらついた弓槻の身体は、ポスンと俺の胸の中におちる
「……じゃあ、誰のもんよ」
絞り出された、弓槻の掠れた声。
「聞いてんの」
弓槻は――俺じゃないほうが……
「お前はさ――」
「なに」
「いや、いい」
ここで、それを言っても
何を、しても
結論を出すのも、真実を口にするのも――全部、怖い
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