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ドン!と。
煮え切らない俺の言葉に、怒りの張り手が飛んできた
次に、拳を丸めて俺の胸を叩きつける
「言わないなら、口にすんな」
その怒りが――俺を認めてなくて
どうしようもなく嫌いで
それでも、いいから
「美沙ちゃんいんのに、こうゆうの良くないって言ってんのよ」
「いってーわ」
「そうじゃない」
「悪い」
「謝ってすまないでしょ」
「無理」
美沙なんて、どうでもいい
今はそんなこと――関係ない
「――何が」
「お前は、誰にも渡さない」
嫌いでいい
お前が俺を忘れられないくらい憎んで
他のやつのことなんて考えられないくらい
俺だけで、いっぱいになってくれたら
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