道標 #5

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「もういいでしょ、どけて」 弓槻の部屋のドアの前で、行く手を阻む俺にそう冷たく言う弓槻の瞳は、光を失っても潤んで俺を見る 弓槻の口から、こぼれた言葉 「そうじゃないだろ」 偽りでもいい、他の男皆に囁いていたって、かまわない 俺に向けられた、「スキ」の言葉は――想像以上に俺を破壊する力があった 「アンタ、何がしたいの?」
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