記憶

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蒼ちゃんの名前が出た瞬間、身体から血の気がスーっと引いていくのがわかった 気がついた瞬間には、もう足が震えていた それは本能だった。 蒼ちゃんの名前は、私にとっては、どんなものよりも鬼門で 尚且つ、私はいま、七瀬と別れ話をしているというのに、快諾された衝撃で、足腰から力が抜け、震えはじめた 「なに、言って――」 浮気、じゃ――ない? 「どうして――あんたがそんなこ――」 じゃあ、一体 蒼ちゃんは、いま――
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