エピローグ

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_こんこん 不意にドアをノックする音が聞こえ小さく扉が開かれた 「お祖父様 入ってもいいでしょうか?」 小さな黒髪の少年がちょこんと顔を出しながら尋ねてくる 「いいよ こちらへおいで」 灰色の髪が多く混じった老紳士が部屋のベッドから状態を起こしながら声をかける その声は弱々しくかすれているが威厳を感じさせる声だ 「はい!」 少年は嬉しそうに駆け寄る その手には綺麗な装丁の一冊の絵本が抱かれている 「今日は一段と嬉しそうな顔をしているね なにか楽しいことがあったのかい?」 老紳士は少年をベットに座るように促しその頭を優しく撫でる 少年はその手に気持ちよさそうに目を細めながら頷いた 「お父様からこの絵本をもらったんです」 そういって抱きしめていた絵本を老紳士に見せる 「ほう…この話か」
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