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木々の間から糸を垂らしたように光が差し込む
光は木の葉が風に揺れるとその糸を垂らす場所と範囲を変える
「…ん」
光が白い肌を照らした時
小さな声が聞こえた
「朝…?」
神秘的なほど澄んだ大きな瞳は薄く開き、
少女の鈴がなるような澄んだ声はそう音を奏でて、続いてベットが軋む音が響く
「…あとちょっと」
そういってまた寝息が聞こえる
閉じた瞳は開く気配はない
8時を指す時計の秒針のかすかな音だけが辺りに響く
_すうっ
長針が動こうという瞬間
部屋にある木製の椅子の下から青い二つの目の小さなナニかが顔を出す
小さなナニかは物音を立てずにベットに飛び乗り少女の華奢な体の上にちょこんと乗る
そして自らの金色の豊かな尾を揺らし小さく鳴いた
「主、そろそろ起きませんと初日から遅刻してしまいます」
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