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。。。。。
ブーッ、ブーッ……
スマホが振動する音で、私は目が覚めた。
やばっ、もう19時45分。
どんだけ寝てたのよ、昼ご飯も夜ご飯も食べてないよ。
着信は、月君から。
口についたよだれを手で拭き、通話マークをタップする。
「もしもし」
『あ、真理子。今パーティー終わったから帰るな』
「あ、うん、承知した」
『ん』
ツー、ツー
はい、月君は相変わらず淡白なお方でありました。
冷蔵庫から作ったケーキを取り出し、皿に乗せる。
ガチャ……
「ただいま」
帰ってきた!
急いで「あるもの」を持ち、スリッパをパタパタ鳴らす。
「おかえんなさい!」
私は玄関に立っていた月君に、思い切り抱きついた。
「突然の抱擁……」
「月君ご卒業おめでとうございます!中井校長からお祝いの品があります」
「何その設定……って、え?マジ?」
私が差し出した四角い箱に、月君の目が大きく開かれた。
「卒業祝い」
「……スゲー嬉しい……開けていいか?」
「開けて開けて」
私がワクワクする中、月君は箱を開けた。
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