一歩を踏み出す勇気

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6月も終わり、少し暑くなり始めた頃、私はお母さんと2人、4年2組の教室の前に立っていた。 実際は大した時間もたっていないはずなのに、かなりの時間ここで立ち止まっている気がする。 首筋からはうっすらと汗がにじみ出ていて、これが暑さからなのか緊張からなのかわからないが、肌がベタついて少し気持ち悪い。 「大丈夫?」とお母さんは心配そうにこちらに顔を向けるので「大丈夫だよ」と返事をする。 具合が悪かったり、どこか痛いとかではないのだが、心臓の音がお母さんに聞こえるんではないかと言うほど音をたてている。 教室に入るのがこんなにも緊張したのは生まれてはじめてだし、今後も無いだろうと思う。 別に教室の戸を開けたらお化けや怪獣が、出てくるわけでもないし、天国や地獄に繋がってる訳でもない。
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