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教室の戸を開けたら、そこには苅安色が広がった。
藤堂ナツにしてみれば時間というものはただ流れ過ぎていくもので、それにせく事もない。藤堂ナツにしてみれば、どうでもいいと、全てに無責任で無関心なよくある若者―17歳の高校生―の感覚だった。
どうでもいい、というのもひとつの心である。
つまりは、無関心と思いながらも時間は意識の中には入っていて、夏休みの登校日という1日に、通常の生徒の流れから外れて夕方に校舎にたどり着いたナツは少なくとも時間に遅れている部分に関しては把握しているし、あえての行動であった。
無責任ではあった、しかし、この場合を反芻すると無関心ではなかったのだ。
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