第1章

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B(いつもの時間、いつもの場所に彼女は座っている。言葉は交わしたことがない。高校も違う。でも一年の春から毎日顔を合わしている。名前は知らない。どの学校かもわからない。でも僕は彼女の事が好きだという事は知っている。ナゼだと言われても困る。好きなところはいっぱいあるから。そよ風を模したような綺麗な黒髪、黒洞々とした静かな瞳、いつも難しそうな本を読む所も好きだしあと、胸が大きいところも・・・。でも交際を申し込むどころか話しかける事でさえ自分には無理な事だ。だからいつも通り自分は彼女の80センチ隣に座る。付き合ってください、口に出せない言葉を練習しながら) A「全部声に出てるよ」 B「・・・え?・・・!えぇ!本当!?」 A「うん。丸聞こえ」 B「えっと、その。なんかゴメン、変な事言っちゃって。(はぁ、明日から一本早くしなきゃ)」 A「いいよ」 B「・・・え?」 END
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