第1章

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B「ねぇ。」 A「…?」 無言で顔を上げるA。僕はAの声が聴きたくて、必死に言葉を探した。 B「その本、面白い?」 A「…。」 軽く頷くA。もっと僕の方を見て欲しくて言葉を繋いだ。 B「そこ、暑く無い?」 A「ちょっと…ね。」 やっと聴けた声。でも、声を聴いたら今度は笑顔が見たい。 B「もし、良ければ…。少し散歩しない?」 A「君と?」 B「うん、そう。駄目かな?」 A「…。」 また、無言で僕を見るA。僕は嫌われているんだろうか。 A「隣を歩いてもいいのなら。」 B「えっ?」 Aの言葉に僕は勢い良く俯きかけた顔を上げる。 A「バスが来るまでは時間があるし、ここにいれば君が近くにいるけど。散歩の間も隣に居ていいのなら行ってもいいよ。」 Aの言葉に心臓が飛び跳ねる。 B「じゃあ、手を繋ごうよ!」 勇気を出して言った僕に。 A「うん!」 最高の笑顔。
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