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「お母さんが気にする事ないから。シャワー浴びてくる」
いつも通りそっけない態度でお母さんの問いかけに答え、首をふいっと違う方向に向かせた。
後ろではお母さんがまだ何か言っていたけれど、今の私にはいちいち答えている余裕なんて全くなかった。
心の中で謝罪の言葉を言いながら、食欲はなかったけれど無理矢理にご飯を流し込み、学校へ行く準備をした。
「……はぁ……」
制服に身を包み、鞄を持って見上げた空はどんよりとしたいつかと同じ曇り空。
そしていまだに買い忘れているローファーは前のサイズのままでつま先が擦れて痛かった。
痛いのはつま先だけじゃない。
昨日のパンプスの靴擦れと捻った足首も歩くたびにズキズキと痛む。
そして同じようにズキズキとした心の痛みも一晩経っても収まる事はなかった。
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