第1章

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B「おはよう、いつも先にいるよな。電車来るの2時間に1本だって言うのにさ」 A「何か?」 B「用って…俺もこの電車使うんだけど? 同じ学校だし」 A「でも電車…30分後ですよ?」 B「…たまには早く来たっていいだろ?」 A「別に構いませんが、読書の邪魔はしな」 B「それ何の本?」 A「何でもいいじゃな」 B「表紙みせて」 A「あ…み、見ました?」 B「うん」 A「…誰にも、言わないで」 B「嫌なら誰にも言わない。でもクラスの女子が読む普通の恋愛小説でしょ? 俺も借りて読んだ事あるし」 A「知ってます。だから私も…」 B「え?」 A「…」 B「どうして?」 A「…私だってあなたと話したかった。いつも囲まれてるあなたとは、朝この駅でしか会えないから。この本は話題作りで」 B「そんな事思ってたなんて…。遠くから君を見るだけで良かったのに」 A「顔赤くなったあなたを見るのは私だけ、ですか?」
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