第1章

2/6
前へ
/6ページ
次へ
教室の戸を開けたら、そこにはお花畑が広がっていた。 よく目を凝らすとそこには生徒が誰もが憧れる田上富子ちゃんが綺麗だけど愛嬌たっぷりの笑顔で手招きしている。 僕はずっと高嶺の花だと思っていた富子ちゃんと他愛ない話をしながら花を見る振りをして横目で富子ちゃんを見る。 髪型をかき上げる富子ちゃんを見て気が付けば告白していた。 「ずっと富子ちゃんの事好きなんだ」 恥ずかしそうに赤面した富子ちゃんは 「私も…」 死んでもいいって思える位幸せだ! 「伊佐男!いい加減起きなさい!」 母ちゃんの声で目が覚める。 あーあやっぱり夢か…これで何度目だよ! 時は過ぎ修学旅行。 遠くから見ているだけでも幸せだったけど一緒に旅行に行ける!と思うだけで胸が高鳴った。 相変わらず僕との距離は遠いけどね。 修学旅行の間ついつい富子ちゃんに目がいってしまう。 そのせいか富子ちゃんに告白して振られるやつらも目に入ってしまう。 同じ班の赤木が 「今日富子ちゃんに告白したんだ。そしたらさ。片思いだけど好きなやつがいるんだって。ガッカリだよな。富子ちゃんに想われるってどこの果報者だよ!」 そっかもう好きな人がいるのか…告白以前に失恋だな。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加