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修学旅行にも関わらずまたあの夢を見た。
今日は何とか園って言う今の時期に満開の花が観られる所に行くらしい。
到着すると午後4時迄自由行動、同じ班のやつらと釣り堀があるから釣りでもするかと話していたら富子ちゃんの親友の花口さんが
「ちょっと来てくれない?」
と言われた。
赤木が
「女に恥かかせるなよ」
ってからかいながら後押ししてきた。
行くしかないな…
連れて来られたのは、夢で見たような一面の花畑、そこに何故か富子ちゃんがいた。
こちらに気が付いた富子ちゃんが
「田上君!」
とニッコリ呼び掛けられ今パニック中だ。
「田上君どうしたの?」
とこちらに向かって来る富子ちゃん
「ずっと話がしてみたかっの…迷惑かな?」
え?これ絶対夢だ!
とドキドキしていると
「めめめ迷惑だなんて滅相もない!」
徐々に顔が火照り出すのがわかる。
「私達同じ名字だね。」
と微笑みながら少し赤らむ頬
「と、と、とみじゃなかった田上さん頬が赤いけど大丈夫?」
クスッと笑って
「富子で良いよ」
笑顔を見せてくれる。もう僕死んでもいい!
「いや、死んだらいかん」
富子ちゃん?僕は聞き返すように
「え?」
と言うと
「何も言ってないよ?」
空耳?
風のせいで乱れた艶々の髪型をかき上げる富子ちゃんを見て気が付けば
「富子ちゃんの事好きだよ。付き合って欲しい」
と口から心の中で言った事が漏れていた。
富子ちゃんが何か言い掛けたとき真っ赤になった僕は恥ずかしくて
「いいい今のなし、聞かなかった事にして」
と言うと富子ちゃんはふるふる震え出した。
「大丈夫?」
と覗き込むと「憤怒」と言う言葉がそのまま当てはまる顔をしていた。
「夢と違う!」
と僕に訴えてくる顔を見て阿吽の何とかって像を思い浮かべると
「酷い!私そんな顔ですか?嫌いになりましたか?」
と急に泣きじゃくる。
この数分で今までの富子ちゃんのイメージがガラガラと音を立てて崩れていった。
「田上、富子を何とかしろこのままだと日本に大打撃が起こる」
え?花口さんいたの?!
「富子ちゃんって何者?」
「それは言えない。でも現にほら見ろ」
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