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永遠に思えた夏休みも、その幕締めは一瞬だ。
気ままに過ごしていた昨日までの日常。
それが一転、恐ろしく規則正しい毎日になるのだと思うと、胃が重くなる。
が。
久し振りの待合所の、久し振りの彼女。
今日もその視線はひたすら本に注がれ、外れることはない。
かつての日常の始まりは、胸に溜まった空気を解放していった。
風が、夏の終わりの匂いを運んでくる。
彼女の髪が、少し揺れた。
B「あ」
長くなってる...
零れた言葉に反応したのか、彼女の顔が上がる。
小さな唇が動いた。
A「おはよ」
近付いてくる、電車の音。
視線はゆっくりと俺から逸らされた。
髪先が、はらはらと前へ流れていく。
B「お、はよっ!」
A「......」
B「あの。これから。...も、また、よろしく」
A「........うん」
彼女の笑顔が、俺に、向けられた。
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