1話

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教室の戸を開けたら、そこには。 いつもとなんら変わらない、僕の教室だった。 「ほらー、やっぱりマルじゃん。」 「本当だ。マル、おはよう。」 教室の一番後ろ、窓側の席が僕の席。 その僕の席、いや、机に耳をひくひくさせながら笑っているソラと、 頬をごしごし擦っているレオが座っている。 僕は溜息をつくと、自分の席へと急いだ。 「おい、机に座るな。」 僕が注意をすると、二人はゆっくりした動作で机から降りる。 そして、自分の椅子に座った僕を取り囲むように立った。 「ねえ、今日帰りに何か食べに行こうぜ。」 「また行くの?流石にテスト勉強した方がいいんじゃないかなあ……。」 耳を掻きながら言うレオに、ソラはむすっとした表情を浮かべた。 おそらくソラはノリが悪いなあ、なんて思っているのだろう。 僕は二人をぼーっと見つめる。 茶色の毛をしたレオは、見た目はかっこよくて優等生な奴には見えない。 しかし、実際はかなりの真面目で、 皆がいないところでは本を読んだり勉強したりしている。 ソラは、真っ黒の毛をしているせいか、見た目は凄く優等生に見える。 見えるのに、実際は、違う。全然、違う。 授業は平気で寝て過ごすし、喧嘩っ早いし、こんなのが優等生なわけがない。
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