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教室の戸を開けたら、そこには。
いつもとなんら変わらない、僕の教室だった。
「ほらー、やっぱりマルじゃん。」
「本当だ。マル、おはよう。」
教室の一番後ろ、窓側の席が僕の席。
その僕の席、いや、机に耳をひくひくさせながら笑っているソラと、
頬をごしごし擦っているレオが座っている。
僕は溜息をつくと、自分の席へと急いだ。
「おい、机に座るな。」
僕が注意をすると、二人はゆっくりした動作で机から降りる。
そして、自分の椅子に座った僕を取り囲むように立った。
「ねえ、今日帰りに何か食べに行こうぜ。」
「また行くの?流石にテスト勉強した方がいいんじゃないかなあ……。」
耳を掻きながら言うレオに、ソラはむすっとした表情を浮かべた。
おそらくソラはノリが悪いなあ、なんて思っているのだろう。
僕は二人をぼーっと見つめる。
茶色の毛をしたレオは、見た目はかっこよくて優等生な奴には見えない。
しかし、実際はかなりの真面目で、
皆がいないところでは本を読んだり勉強したりしている。
ソラは、真っ黒の毛をしているせいか、見た目は凄く優等生に見える。
見えるのに、実際は、違う。全然、違う。
授業は平気で寝て過ごすし、喧嘩っ早いし、こんなのが優等生なわけがない。
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