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「おーい、マル?聞こえてるー?」
「あ、悪い。聞いてなかった。」
僕の言葉を聞いたソラがそっぽを向いた。
ソラと親しくない奴から見たら、機嫌を損ねてしまったように見えるだろう。
怒っている、と勘違いして、ビビって逃げ出すかもしれない。
でも僕とレオは、ソラが態度をしているときの感情を知っている。
拗ねかけている。
レオが拗ねると、それはそれで手がつけられない。
非常にまずい事態だ。
頭の中でどうしよう、と考えていると、ソラが完全に背を向けてしまった。
まずい。
「マル。今日の帰りはどうするか、って話なんだけど……。」
「あ、なるほど。」
レオに助けを目で求めると、こそこそと教えてくれた。
「えーと、帰りに店寄って買うもん買って、ソラん家に行って勉強しようぜ。」
「おう!」
レオは元気よく返事をして、ピンっとしっぽを立てた。
慣れると、レオの感情は分かりやすいくらい態度に出ていることが分かる。
僕はレオの機嫌が直ったことを察知して、ほっと溜息をついた。
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