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…もう好きにしてくれ。そうやけくそになった俺は床にゴロンと寝っ転がった。
「…礼くん…。
俺のこと忘れて楽しんでんの…。」
「そんなことないですって。
先輩からだから断れなかったんでしょーが。」
「そうだよリーダー。
礼ちゃんだってリーダーに会いたいはずだよ?」
3人で色々なことを話し込んでいるうちにお酒もどんどん進んで、深夜を回る頃にはすっかり俺は酔っ払いおじさんになってしまっていた。
俺のくだらない愚痴に、荻野ちゃんもナリも嫌な顔一つせずに付き合ってくれている。
2人に囲まれて楽しい時間を過ごして…せっかく俺の中にある醜く重い感情を忘れかけていたのに、お酒が入るとその感情もまたすぐに顔を出した。
俺の中にあるネジが一本一本緩んでいって、黒々しい感情がドロドロとスライム状になって溢れ出てきて止まらない。
いつもいつも年下の礼くんに甘えてばかりで、可愛げもなければ素直でもない俺に、礼くんは常に全力で愛情を注いでくれている。
肌も白くないし、スベスベもしてない、歳だってもう良いおっさんで、可愛い声も出ないし、おしゃれでもないし、頭の良さなんて礼くんと比べたら天と地程の差があって。
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