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「ていうか!
なんで抱きしめ合ってんのー?
ラブラブしてる所悪いけど、ナリは連れて帰るよー?」
荻野ちゃんがほれほれとナリを手招きする。
そうだよな。
2人は付き合っているんだから。
これから2人きりでラブラブするんだから。
そう思ったら何だか悔しい気持ちが込み上げてきて、今だに俺を抱きしめてるナリをギュッと抱きしめ返す。
そんな俺を見たナリは、
「…本当にしょうがないんだから…。このおじさんは!」
そう言って俺の背中を1回ぽんっと叩くと、荻野さん、今日の予定変更!と声を上げて、荻野ちゃんからバッグを受け取ると俺の右手を掴んでぐいぐい歩きだす。
後ろから、今日は一緒に生姜焼き作ってラブラブするって言ったのナリだろー!って抗議の声が聞こえるけど、ナリはそんな荻野ちゃんの言葉も御構い無しにずんずん駐車場に向かって歩いていく。
「お、おいっ。
荻野ちゃんと約束してんだろ?」
ナリに掴まれた右手をなんとか引き剥がすと、ナリはあのさぁ…とため息をついた。
「あなたさぁ、寂しいんでしょ?だから俺と荻野さんが側にいてやるって言ってんの!
こういう時は素直に甘えろばーか。」
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