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…なんだか随分横着で失礼な物言いだなとブスッとしてしばらく下を向いて佇んでると、荻野ちゃんが「い゛だ~゛!」と擬音混じりに叫んで近づいてきた。
「ちょっと!置いてかないでよねっ!
俺はずっと楽屋で待っててあげたのにさっ!
しかも誰の車で帰ると思ってるの!
お・れ・の!」
腰に手をあててプリプリ怒る荻野ちゃんにナリはごめんなさいねーと軽く謝ると、うちのリーダーが寂しん坊でさぁとやれやれと言ったように手を広げる。
…俺のせいかよ…。
だから俺は1人で帰れるってば!
そう口を開こうとすると、荻野ちゃんに顔を覗き込まれる。
「もしかして、リーダー、寂しいの?礼ちゃん?」
って水分を多く含んだキラキラした瞳で、本当に心配したように顔を覗き込まれる。
メンバーに迷惑ばっかりかけて、いよいよ本当に情けねぇよな…俺。
申し訳ない気持ちと恥ずかしさとで、ため息を吐いた。
「俺は本当に大丈夫。
礼くんとなんていつでも会えっし。
2人で帰れよ。」
2人にそう早口で告げると、じゃあなと言って背を向ける。
でもあっという間に凄い馬鹿力で肩をグイッと引っ張られて再度2人に向き直させられてしまった。
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