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「へぇ。トシヤくん、それボトルシップってやつでしょ」
女教師が、生徒の作った工作を目に止めた。
夏休みが終わり、9月の登校日。
クラスでは目立つ方ではないトシヤという生徒が、横に傾けた瓶を机の上に置くと、他の生徒たちも興味津々に群がっていた。
瓶の中に模型の船などを造る装飾品、それがボトルシップ。だがボトルの中には、船ではなく模型の島と周りを囲むように海に見立てた水が入っていた。
「すごぉい!!人まで瓶の中にいるよ」
女子生徒が目を輝かせて、瓶の中に目を凝らした。
「あたし達は今日から学校だけど、瓶の中は永遠のバケーションだね」
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