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1-11-17
「ここで会ったことは内密に」
「はあ……」
「わあ、殿下だあ。国王さまの護衛ですか」
「ええ、……まあ。こういうところへ連れ出せば彼女の気分転換になるかと思いまして」
「まさか、王宮がカラだということは……っ」
「誰も知りません」
早く来ないと終わっちゃうわよー、と国王の呼ぶ声がしている。
「仮にも王宮勤務の者としては見過ごすわけにいかないんですがね」
「い、イグノトルさま……?」
ずんずんと国王に近づき、その腕を引いた。
「ちょ、何するの!」
「地上は天使が落ちると危険な場所です。あなたが知らないはずはありませんよねえ」
「放しなさいっ」
「イグノトルさまっ、あ、あの……っ」
王婿が派手なため息をついた。
「国王に後継者を産ませるという私の神聖な仕事を邪魔しないでほしかったんですが」
国王の右手が、王婿を張りとばす。
「どうしてそういう言い方をするの」
「いくら装っても同じですから」
「あ、あの、でえと……、だったんですか」
そうなのよー、と国王が表情をくずす。
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