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「うん。でもこれは本当にあったお話じゃないからね。ティオが地上へ興味を持つようにって作られた絵本。ま、教科書みたいなものだ。買っても主には怒られないよ」
「夢、こわさないでよー」
ぱたりと絵本を閉じ、もとの棚にしまった。
「ああ、ごめんごめん。君は大人の姿でうまれる初代ティオで、主からはぐれてたってきいて、子供扱いするのもどうかと思ったんだよ」
「実年齢はまだ二歳だよっ。ぜんぜん子供っ」
「不思議な生き物だね、ティオは」
「結婚する予定ができたら買うよ」
「それはいいね。じゃあこっち、イグノトル医師が注文していた絵本、ちょうど入ったところだよ。お代はもう先にもらってるから、持って帰りなさい」
「あ、ありがとございます」
受け取ろうと片手を差し出した。
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