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「おつかいの帰りだったのかい?」
「え? うん」
どうしてわかったのかな、と首をかしげる。
「それ、落とさないように一緒の袋に入れてあげるよ。貸してごらん」
「わあ、ありがとうー」
持っていた薬屋さんの紙袋も差し出した。
「イグノトル医師はどういう養育方法で、はぐれティオをこんないい子に育てたんだろうね」
「やさしいよ、とっても」
「それにしても、王宮の医務室ってそうは広くないって聞いたけど、ふたりで暮らしてるんだよね。お屋敷のほうはどうされてるのかな」
「あるのは知ってるけど、行ったことないんだ」
「じゃ、成人したらそっちで暮らせるようにしてもらうといいね」
「どして?」
「狭いと不自由じゃないかい?」
「ぼく、イグノトルさまと離れて暮らすなんて、考えたくないよっ」
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