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「ああ、まだ子供なんだね」
店主が笑ってくれた。
「子供じゃ……だめなの?」
「ティオはいつか天使から独立するものだよ」
「独立……」
「それは天使にとって名誉なことだ」
「でもぼく、ずっとイグノトルさまと一緒がいいよ」
「公爵というお立場で、医師として王宮に勤務されてる方だよ。いつまでも甘えているのはご迷惑にならないかい?」
「そ、そんなことないよ。ぼくだってお手伝いしてるし……」
「君は知らないかもしれないけど、公爵は以前にティオを亡くした経験がおありなんだよ。君だけはどうしても成人させたいってお気持ちは、あると思うよ」
「前のティオのことは知ってるよ」
「でもね、主から独立しないと、結婚は難しいよ」
「え……っ」
「だってそうだろう? いわゆる親から独立できてない男と結婚したい女がいるかい?」
「そ、そんなっ。ぼく、子供じゃだめだあっ」
「まあはぐれティオだったんだから、主にずっと甘えていてもそう不自然ではないけどね」
「ぼく、大人になるっ」
「うん。イグノトル医師に話してごらん。きっと喜ぶよ」
「はあーい」
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