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1 花火
「ただいまあーっ」
思い切り医務室の扉を開いた。
「こらっ、一応ここは王宮なんだよ。静かに帰ってきなさい」
「ご、ごめんなさい……」
「もういいよ。おつかいご苦労さん。ちゃんとわかった?」
「うん。いつもの包帯でしょ。これだよね」
はい、と紙袋から取り出した。
「正解だよ。ありがとう。いつもは注文して持ってきてもらうんだけど、急に切れちゃったからね」
「患者さんは?」
「帰ったよ。病院に行くって」
「えっ、イグノトルさまに手当てしてもらったのに病院行くのっ?」
「うん。なんか薬が違うらしいよ。肌にあわないとひどくなったりするんだって」
「きつい薬を塗ったの?」
「そんなわけないよ。何のために病院と手をつないでると思ってるの。王宮にいらっしゃる身分の高い方々になんかあっちゃいかんと思って、病院のデータも睨んで副作用の少ない薬を選んでる」
「そうだったんだ……」
「じゃあどんな薬使ってますかって聞いたら、主治医まかせだから知らんそうだよ」
「うー……ん」
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