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「でも、国王さまはイグノトルさまのしてること、ちゃんとわかってくださるよ」
「彼女は地上育ちだから、一般大衆的な物の考えをする。でも、昔からある貴族は、そうじゃない」
「そっか……むずかしいんだね」
「国王より、私を見てくれる?」
「えっ」
にこりと微笑んだ。
どくん、と胸が鳴る。
そのまま、いとおしそうな顔で、じっと見つめてくる。
なにか言わなくちゃ、とティオは焦った。
「ああっ、そうだっ。本屋さんの店主さんがね、えっと、なんだったかな。どくり……つ」
「……ん? 本屋さん?」
「あっ」
「また寄り道したねっ」
「だって絵本が見たかったんだ。あ、これ、ちょうど注文してたのが入ったよって」
「待ちきれなかったのかい?」
「……うん」
それもあるけど、アウギスの絵本が読みたかった。
「これね、私がまだ病院にいたころ、入院患者に人気のあった絵本でね、もうあまり見かけなくなったから、取り寄せてもらったんだよ。今夜、眠るときに読んであげようね」
「うんっ」
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