森の住民こんにちは!

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『蒼、この世界では漢字は使われてない。 まぁ言うなら象形文字みたいなのだ。 あまり前世でのことは言わない方が身のためだぞ?』 鷲さんはそう言って、あぁ、そうだ、と続けた。 『晄って名前、気に入った。 是非使わせてもらうぜ。』 「え、本当に? 嫌だったら他の名前考えるからね、気とか使わないでよ? 大事なものだから。」 大事なものを決めさせてもらってるんだから、お互い妥協はしちゃ駄目だよ。 何度か確認を取ったけど、鷲さんは笑って私にお礼を言うばかりだった。 「じゃあ鷲さん改め晄、よろしくね。」 『おう、こっちこそよろしく。 さて、話をしてる間に見えてきたぜ、俺達の棲みかが。』 木々のざわめきと晄の鳴き声が森中に響き渡った時、私の目には、素晴らしい情景が映った。 二足歩行で荷物を運ぶライオンに、空を翔る犬、尻尾で杖を持って魔法を使う猫。 『ようこそ、俺たちの棲みかへ。』 晄の声に、はっと我にかえった私は、歓声をあげた。 「晄!晄!! すっごいな、ここ!! もうまじファンタジーすぎてファンタジーだわ!!」 自分でも支離滅裂だと思う文章を口走りながら、辺りを忙しなく見回す。 おお、おお!! でっかい銀の狼!! あそこにいるのドラゴンじゃね?! 服着た二足歩行の豚とかもいるー!! やっべ、まじ興奮するー!! 『蒼ー? 興奮してるとこ悪いけどよー、ちょっくら戻ってきてくれ。 皆すんげぇ蒼にびっくりしてっから。』 周りを見ることに必死だったから気がつかなかったけど、晄に言われて、動物たちが私を(円らな瞳で)見つめていた。 うへへ、めっちゃ可愛い。
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