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寝転んだままの体勢から見えたのは白く美しい空間と、恐ろしい程の美貌を持つヒトの形をした何か。
「……神様、とは、貴方のことですね。」
まさに神としか言い表すことが出来ないその存在は、私の言葉に1つ、瞬きをしただけだった。
「貴女が此処にいる理由から語ろう。
全ては私が見た事実で、貴女の運命だ。」
そう言って、神様は語り始めた。
まぁ話をまとめてしまうと、
私は牢獄から逃げ出した死刑囚にナイフで首を切り裂かれ、痛みも恐怖も感じることなく死んだ、らしい。
運命というものは必然であり偶然。
私が殺されたこともまた必然であり偶然だ、と。
「……そう、なんですか。」
死んだと聞かされても特に実感が涌かない。
自分的には身体の感覚も何も失っていない。
勿論首だって傷1つない。
「死後の世界に傷というものは存在しない。
幼少期の傷などもない、見てみるといい。」
「うおおおっ!すげぇ!!まじかよ!!
ジーザスッッ!!!
火傷の跡も全部消えてるじゃーん!!」
神様の前でテンション上げて小躍りしましたごめんなさい。
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