神様こんにちは!

4/9
前へ
/80ページ
次へ
寝転んだままの体勢から見えたのは白く美しい空間と、恐ろしい程の美貌を持つヒトの形をした何か。 「……神様、とは、貴方のことですね。」 まさに神としか言い表すことが出来ないその存在は、私の言葉に1つ、瞬きをしただけだった。 「貴女が此処にいる理由から語ろう。 全ては私が見た事実で、貴女の運命だ。」 そう言って、神様は語り始めた。 まぁ話をまとめてしまうと、 私は牢獄から逃げ出した死刑囚にナイフで首を切り裂かれ、痛みも恐怖も感じることなく死んだ、らしい。 運命というものは必然であり偶然。 私が殺されたこともまた必然であり偶然だ、と。 「……そう、なんですか。」 死んだと聞かされても特に実感が涌かない。 自分的には身体の感覚も何も失っていない。 勿論首だって傷1つない。 「死後の世界に傷というものは存在しない。 幼少期の傷などもない、見てみるといい。」 「うおおおっ!すげぇ!!まじかよ!! ジーザスッッ!!! 火傷の跡も全部消えてるじゃーん!!」 神様の前でテンション上げて小躍りしましたごめんなさい。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加