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あの日から私たちは2人だけで帰るようになった。
「おぃ、乙葉?オレの好きな人って誰かわかってる?」
「えっ?3組のりえちゃん?」
「……」
「あっ1組のさやかちゃんだ!!」
「……もう、黙れ」
「うーん、じゃぁ4組の……」
「だから、黙れって……」
不意に抱き寄せられて唇が重なった。そして、ゆっくりと離れる。
「オレの好きな人、誰だかわかった?」
「……」
私はコクリと頷くのが精一杯だった。
「恥ずかしいからあかねに言うなよ」
彼の人差し指が私の唇を押さえる。
「しーっ」
そして、イタズラっ子みたいに笑う。その笑顔につられる様に私も笑った。
また大切な秘密が増えた。
大事な大事な2人だけの秘密。
END
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