第1章

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B「貴女は毎日バスを待つ間手帳を眺めて、何を確認しているのですか?」 A「日数を確認しているのよ」 B「日数? 何の日数ですか?」 A「私はずっとこのバス停にいるの。バスに乗って、気が付くとこのバス停に降りて、バスを待っている。もう、私の主観では何百年と繰り返しているわ」 B「冗談はやめて下さい。仮に本当だとしたら、そんなに落ち着いていられるはずがない」 A「色々試したわ。バスに乗らなければ、永遠繰り返しバスを待つだけ、歩いてバス停を離れても、行き着く先はこのバス停。もう悩みも辛さも感じないわ。今はただ、微かな楽しみを頼りに過ごしているだけ」 B「……作り話にしては面白かったですよ。もう少し聞いていたいですが、バスが来たようだ。さぁ、早く乗りなさい」 A「ええ、さようなら」 A「ところで、私の楽しみと言うのはね、貴方が、この現実に、いつ気が付くかよ」
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