第1章

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朝、6時半。 部活がある朝は、早い。 そして、いつも、一緒。 今日もやっぱり、足音がする。 古い木造の床が、ギシギシと鳴り響く。 それが目の前で止まって。 ドサッと大きな音。 本から少しだけ視線をずらすと、彼のヨレた靴が少しだけ見える。 意識して顔は極力動かさない。 だから少ししか見えないのだ。 それで良い。 それくらいがちょうど良い。 彼は今、私と向い合わせの長椅子に座っているのだから。 私の全意識が彼に向かっているなんてことは、万が一にも悟られないように、細心の注意を払わなければ。 カサ...ッ 静かな空間に、小さな音が微かに響く。 足元だ。 栞? 手に取ってみる。 聖書の一節が印字されている...本屋さんのレジ横に置いてある栞だ。 私のではない...てことは? 顔を上げると、彼がニヤリと笑った。 B「やっと、こっち見た」
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