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昔々、或る処に凄まじい強さを持つ極悪非道の紅蓮の龍がおりました。この龍は《人の仔》や妖精、動物など、この世界の命の源である巨大な樹木『アンブロシア』を独占しようとしました。
天を震わせる咆哮、大地を揺るがす足音、海が荒れ狂い逃げ惑う威圧を放ち、あらゆる生き物たちを八つ裂きにし、業火で焼き払い、臓物を抉り、踏み潰すなど虐殺していきました。
ひとしきり暴れた龍は、僅かに生き残った《人の仔》に【この先、汝ら人の仔は同族で殺し合い、飢饉に見舞われるだろう。五百年後、我は再びこの地に降り立ち、汝らを焼き尽くし滅ぼしてやろう】と呪いの言葉を吐き捨て、何処かへ飛び去って行きました。不吉な予言を残し去って行った龍に恐れ戦きながらも《人の仔》は紅蓮の龍を倒すべく、力を身に着け立ち向かおうと心に誓いました。
そして、この地を〝ドラゴンを滅ぼす〟という意味を込め『ドラプトス』という名の国家が築かれたのです。
~~原罪の悪魔伝説~~ 抜粋
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