1.予選開始

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「いざ、覚悟なりっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと、あんた誰なりか? そーいえば名前すら聞いてないから知らないなり。 ま、いいか、改めて、 そこのなんかパッとしない名前すら出せてもらえない君っ! 覚悟するなりっ!」 孝はポケットから手裏剣を取り出して相手に放った。 敵プレイヤーは大盾を構えて手裏剣を防ぐ。 「ねーねー君、周り見てた? 君の部隊は盾で防御するから前が見えなくて、回り込まれてやられてたんだよ? そして、今君も同じことしてる。 駄目だよ。 そして、終わり。 ゲームオーバー、じゃあね。」 孝は躊躇せずに敵プレイヤーに止めを指した。 その瞬間、敵全軍が戦場から姿を消した。 「やったなりー! 孝さんが勝負を決めたなりー!」 段蔵のもとへ嬉しそうに駆け寄る孝。 だが、段蔵はついさっきの孝の表情を見て驚いていた。 何故孝は躊躇なく止めを指した? いくらゲームとはいえ人間に刃を突き立てることをなんの躊躇いもなく出来るものか? 段蔵がそんなことを考えていると、 いつも通りの孝が笑顔で駆け寄ってきた。 「にひひっ師匠っ! やったなりよ! 褒めてつかーさいな!」 無邪気に笑いながら駆け寄る孝はいつもの孝だ。 ま、こんなんだからしょうがねーか。 段蔵も笑顔で孝を迎え、いつものように二人ではしゃぎながら戦場を後にした。
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