第1章

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 教室の戸を開けたら、そこには・・・・・ 「なんだこれ?」  教室の中全部が銀色で、丸い筒みたいになっていた。  なんか、シェルターみたいだけど、ポコポコ穴が開いている。  机も、椅子も、黒板も、ロッカーも――――――ない。  怖いもの見たさで、ちょっと首だけ出してよく見てみる。 「おはようございまーす」  囁く様に言って、覗いたが何もない。  何かの間違いか?  クラスの入り口を確認すると確かに2-D。うちのクラスだ。  もう一度中を覗く。シェルターなのか?!足を踏み入れてみると、キュキュッと上履きのゴムが擦れる音がした。湾曲してるから歩きにくい。   「あーー!!」  大きな声を出すと少し反響する。  そういえば、どうして誰もいないんだ?委員長の佐々木さんなら、誰より早いはずだ。まさか僕に限って、始業式間違えちゃったとか?  あれ?そもそも夏休みってあったっけ?今日なんで始業式だろって思ったんだ?ぼんやりとして夏休みだったはずの記憶がない。  いやいや、ありえないよ。僕が間違うはずない。休みボケだ。 頭が混乱してる。この状況じゃ当たり前だと打ち消しながら、突き当りまでたどり着き、板を叩いてみる。 《ダンッダンッ》  こもった音がする。この鉄みたいなのの向こうに空洞があるのか?   《ピシャン》   その時背後で戸が閉まった。 「え?!」    嘘だろ?!閉じ込められたのか?!   「誰か!?助けてください!!何か変なとこに閉じ込められたんです!!誰か!!」  慌てて戸に駆け寄って、ひたすら叫びながら戸を叩いてるのに、開く気配はない。  どうしたらいい?!何がどうなってるんだ?  不安に足が震えてきた。  宇宙人にでも攫われるのか?!それとも、これはタイムマシン?それとも・・・・・・。 《ピッ、ピッ、ピッピッ》  機械の音が響いた。何かのボタンを押すみたいな。やっぱり宇宙人?!実験台にされるのかもしれない。  端に行っても、突き当たりに行っても、出口はない。 《ゴポゴポ、ザアァ―――ッ》  上から水が降ってきた。と言うより、注ぎ込んでいる感じだ。  なんでだ?水攻め?!殺される!! 「助けて!!助けてくれ!!誰か!!」  
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