第1章

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「どんな命も等しいものなのだ。どんな命も軽んじてはならないものだ。たとえ気に入らなくとだ。確かに食事にも命はあるな、頂きますと言うな?感謝の心だ。自分ももちろん大切だ。だが人を傷つけていいことになるのか?ならば、泣く事しか出来なかった赤子のお前は何故今まで生きたのだ?相手に非があることもある。ならば姑息な手など使わず正々堂々と挑みなさい。もし、間違って傷つけてしまったなら、素直に謝りなさい。頑張り過ぎろとはいわないよ。辛いなら立ち止まればいいのだ。だがな、お前の命も大事なのだ。お前は夏休みで反省したのだろう?なぜ、線路に飛び込もうとしたのだ」  そうだった――――――。  夏休み前に僕はクラスのみんなに、全て今までのことがバレて、先生からもみんなからもゴミを見るような目で見られて。  夏休みの間にも、何度も死のうとしたんだ。価値がないから。 「毎年な、お前とは違うかも知れないがいろんな理由で、お前と同じ事をするやつが居る。逃げていいといってるのに、生き延びろと言ってるのに。生きることが辛い者、学校が辛い者が死を選ぶのだ。自分の勝手な理由で誰かの命を奪うものまで居る。何故こんなに皆命をすてるのか。何故だろうな?でもな、お前は確かに悪いことをした。反省し謝って、生き方を改めていかなければならない。」 「人の価値と自分の価値」 「等しいのだよ。若かろうと、年寄りだろうと、小さかろうと。そして、価値など無意味だ。ならば何があっても『生き抜け』」 「もう嫌だ。もうムリだよ。僕は生きるのが辛いんだ」 「大丈夫だ。お前は助けてくれと言っただろう?何でもすると。命の重さは等しいのだから。お前も生きよ。逃げてもいいから。ちゃんと這い上がれるから」 「僕は、ダメな人間なんだ」 「違うと言ったろう?そろそろ時間だ」
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