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B「姫様!お戯れも大概になさいませ!」
狭い待合所に怒号が響く中、私は、本から顔も上げない。
A「...戯れとは、言葉が過ぎるぞ」
B「...失礼を申し上げました」
A「もう良い。いや、いーの。もうやめて。あたしガッコー行くんだから」
B「姫様!」
A「私が姫だから何だって言うの?
あの世界から逃げてきた私に、どんな価値があるって言うの?
国王を見捨て、国民を盾にして、一人助かった私にッ」
B「お止めくださいっ!!」
睨むように見つめ合ったのは、ほんの数秒だった。
先に反らしたのは、私。
本来、彼と争う資格すらない。
私は、奴隷なのだ。
滅び行く国の。その国民の。あの世界の。
運命の。
B「姫様。貴女様は」
A「わかっておる。使命は全うしよう」
私のアイデンティティーは、もはやそこにしかない。
私は私の戦場に向かうべく、本を閉じた。
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