第1章

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恋をしたの。 ブルトパーズの様な蒼いビビットなカラダに、黒い斑点。 「ぬらぬらして、きもちいーですねー、冷たくて。ちっさくて、ころんころんしている表面もステキ」 恍惚なカノジョ。 「でも、こうして雨の日の朝にしか逢えないなんて…」 カノジョは濡れた髪をかき上げた。 「待ち惚けしている時間が好きなんです。あなたのことを、ずっと考えられるから」 ぼくは精一杯、鳴いてみせた。 「ふふっ、まるで蟋蟀か鳴き方を忘れた小鳥みたい」 ぼくの恋は終わった。車に轢かれたのだ。真っ赤な真っ赤なヤドクガエル。季節外れの寒椿が、ぽたり、ぽたりとガソリンの上に舞う。 「……かえる……さん……」 ぼくを真っ赤に染め上げた、 カノジョ、の 血。 「ボクハ 毒シカ持ッテ イナイケレド………」 モシ カノジョ ヲ スクエルノナラ…………… 「ニンゲンニナリタイ」
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