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パーンと弾けるような音が廊下に鳴り響いた。私は彼のベルトを掴んだまま、勢い余って後ろに倒れ、尻餅を付いて、廊下に転がった。
「いたた……」
お尻を擦りながら、立ち上がり、右手に掴んだベルトを確認する。バックルの辺りが破損している。さっきの音は、金具が弾け飛んだ音だったんだと解った。
ふと、視線を戻すと目の前には、そこの君が前のめりになって倒れていた。
ベルトが壊れた衝撃で、ズボンが脱げてしまったのか、半ケツのまま突っ伏してた。白桃のような尻だった。
「ごめん、わざとじゃないんだよ。立てる?」
私は廊下に散らばったベルトの欠片を拾い集め、彼の頭の方に移動し、しゃがみ込んだ。涙目になった顔を上げた彼の顔を確認して、ゲッ!と思った。
___白石悠里(しらいしゆうり)、同じクラスの男子だった。
私は白石が苦手だった。いつもヘラヘラとした笑いを浮かべてて、何を考えているか解らないからだ。
勉強も運動もダメで、天パーでチビでおまけに太っている。どんなUVケアをしているのか知らないけれど、真夏でも日焼けをしない白い肌は餅みたいだ。
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