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「くそっ!」
イライラから、咲良は目の前の豪傑救急訓練用人形を風車投げで投げ飛ばした。
何にイラついているのだ?
「HEY♪YOUハ相撲部カナ?合宿ノ打合セニ来タヨ。MEノCUTEハニーハドコ?」
「は?」
背後からの声に振り返ると、そこには本校のタマデッカーが!
また無駄にデカクなっている!
「簑と埴輪なんて知らねえな。民族博物館にでもあるんじゃねえか?」
「ホワット?」
首を傾げているタマデッカーを放置し背を向る。
「咲良ぁ」
と、腹とHカップの胸を派手に揺らせナーベーラーが息を切らせて駆けてきた。
「ハニー♪MEニ会イニ来テクレタカ?」
[えっ、タマデッカー…!?あ、先生から手紙をいただきました。ありがとうございます]
[ふっ…僕は君の魅惑的bodyの虜になった哀れなピエロ。どうかその肉に埋もれさせて欲しい…]
[それは無理です…貴方とそう言うお付き合いをするつもりはありません]
目の前で日本語以外で会話され、言葉がサッパリわからない咲良は面白くない。
「俺、邪魔みたいだし…じゃあ」
手を上げ立ち去ろうとした腕をナーベーラーが掴んだ。
「待ってよ。僕は咲良と…」
[そのギガントピテクスは君の何だ?]
[何って…幼馴染みで…忍者で…]
「忍者ッ!」
タマデッカーの目の色が変わる。
「勝負ネ」
「は?」
クルクルとうでまくりをしながらタマデッカーは咲良を睨み付ける。
「我ガ一族ハ、王家ニ仕エル“陰ノ軍団”。イワユル日本デ言ウ忍者ネ…」
その言葉に、咲良はピクリと眉を動かす。
「我々ハ敵ノ陰ヲ押サエ、精気ヲ抜キ採ル」
「それは忍者に関係ないんじゃ…」
「なんて恐ろしい軍団っ!」
「ソコなの!疑問に思わないの?」
戸惑うナーベーラーの前で咲良は武者震いしている。
「勝負の方法は?」
「絆愛名物“陰踏躬(カゲフミ)”なんてどうかしら?私から本校の校長に伝えておくわ」
そう言うと先生が、屋根からギャグ漫画落ちで落ちてきた。
頭から血を流しながらも『どうこうないわ♪』と流石絆愛の教師だ。
「カゲフミとは一体…」
「両チームに分かれ相手チームの虚をつき倒し、陰部を踏みつけ、躬を動けなくする恐ろしい名物よ…タマデッカー君、いいかしら?」
「OKネ。勝ッタラ、ナーベーラーハMEノモノだ」
「どさくさに景品にしちゃうなんて…抜け目ないわね、アノコ」
呆れているナーベーラーにウインクをかまし、タマデッカーは当初の用事に向かった。
「日本の忍者舐めんじゃねえ!ギャフンと言わせてやる」
そんな咲良をナーベーラーは悲しそうに見つめた。
(忍者勝負じゃなかったら、僕のことなんて興味ないの?)
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