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当日―――
本校のグランドに、本校・分校の生徒全員が集まった。
ちなみに、分校の生徒は60キロ程をかけ足でやってきたが屁のカッパのようだ。
時間になり『儂が絆愛…』とマイクを持った足軽スタイルの校長が挨拶をし始めると、いきなりスピーカーから煙が上がり中から破裂した。
分校の生徒達は驚きで目を皿のようにしているが、本校では日常茶飯事で動じることもなく、落ち着いた様子で体育委員が前に出た。
「ルール説明をします。両チーム20名ずつのメンバーで行い、制限時間の間、対戦する2人以外はクランド内を逃げ回ります。対戦者は相手チームのメンバーを虚をつき倒し、陰部を踏みつけ躬を動けなくします。動けなくなった場合は大の字になり、何をされてもよい格好でいて下さい。最後に集計します。質問は受け付けていません」
クールっぷりに困惑しながらも、メンバー以外はそれぞれのテントへと移動した。
「今さらだけど、ナーベーラーはどうしたい?タマんとこがいいか?」
「僕がドコにいたいかくらいわかりませんか?僕の心を波立たせるのは誰か…16年近く一緒にいるのに…」
「じゃあ心配するな。負けることねえから」
咲良はメンバー達同様に制服を脱ぎ褌姿になると、一族のジャージ装束を腕・脛のみ着用した。
「咲良が負けるなんて思ってません」
「なあ、終わったら俺にPFPFってヤツ
してくれるか?試してみたい」
「……ハイ」
真っ赤な顔で俯くナーベーラーを背に感じながら、中央へとやってきた咲良はタマデッカーと向き合う。
「おい、メンバー達は絆愛の生徒か?絆愛臭とは違う!」
「ヨクワカッタネ…彼ラハ、通称蛙スパイ!条件ハ“三時間四万円延長なし舌有り”デ雇ッタヨ」
「なっ…蛙?」
「アレダケノ報酬デハ延長ナシダガ、彼ラハ特殊訓練デ鍛エタ凶器デアル舌モ使エル。貴様如キハエ同然」
自信満々のタマデッカーは何度もナーベーラーに投げキスを放つ。
「覚悟ハイイネ?」
「誰に言ってる?」
校長の法螺貝が鳴り響き、もうすぐ“陰踏躬”が開始だ。
メンバー達は散り散りにグランド内に散らばっていく。
咲良は腰を落とし身構える。
タマデッカーも両手を熊のように広げ、不適な笑みを浮かべた。
“ダンッ”
開始の合図である大きな太鼓が打ち鳴らされた!
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