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海人は予想外の結果を見て少しがっかりしたが、
これが普通だと自分に言い聞かせた。そうする
と不思議なもので受け入れる事が出来た。少
ししてから長戸さんの指示のもと、大広間に向
かうことになった。海人は長戸さんに礼を言っ
てそこから去っていった。一人残った長戸さん
はぽつりと呟いた。
「兵士…か」
海人は大広間へと続いている廊下を歩きながら、
改めて自分も能力を持つことが出来たのだと実
感していた。そうこうしていると、前方に先ほ
どの男が挙動不審にうろうろと歩いていた。先
ほどの様子からあの男も自分と同じく先ほど能
力が判明したのだと思うと、何だか妙な親近感
が湧き、声を掛けてみた。
「あの、どうかしましたか?」
海人が声を掛けると男はびっくりしたのかその
場に固まっていたが、そのうちほっとしたよう
に言った。
「実は大広間に向かっていたのだが、場所が場
所が分からなくてな…」
「あ!それなら僕も同じ場所に行くので一緒に
行きませんか?」
海人はずっと迷っていたのかと驚きながら聞い
た。
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