第一部 13章 激昂

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 「おーい春児くーん、この書物を取らないと又木くんには追いつけないよ?」  あれから日にちがかなり経ったが最初の訓練で言われたのが  「この書物にある魔法が記されているこの魔法があれば君は又木くんに逆転できる。けどこれを某から取れたら君に上げるよ、殺す気で取らないと永遠に取れないよ?」  しかし俺はまだ本にすら触れてもいない、獅童学園長の実力は凄く、魔王化した俺とタイ張るくらいの実力者だ。  「とか言ってほんとは取らせない気なんじゃないの?」  「まず取れないようなら君はこの書物に書かれている魔法を解析できるわけがない」  『術式解放・弐之段』  それから俺は弐之段を使っても疲労感に襲われないようになった。  「行きますよ学園長!」  6属性を駆使してどうにか取ろうにも柔らかい足取りで緩やかに避けていく。  「魔法は3属性同時まで使えるようだがまだまだ青いね、3属性使うと1つの威力が弱くなる。もう又木くんには届かないんじゃないかな?諦めたらどうだい?」  そしてさらに学園長は追い打ちをかける。  「魔王の力を持っていてもこの程度かお兄さんはなんでこのようなのに命を掛けたんだか。」  その時攻撃する手を休める。  「あんた今、炎冥を侮辱したな。俺の兄貴を馬鹿にすんじゃねぇぇ!!!」  そして手を合わせ唱える。  『術式解放・四之段!』  両手両足の魔王化が始まりだす。  本来魔王化や魔獣化は六段階で伍之段は胴体、そして六之段は頭となり完全な魔獣化や魔王化となるが今まで六之段になった前例はなく。人は良くて伍之段までで狂気に陥り絶命するのだ。  「いきなり三を飛ばして四かい。意識があればいいが果たしてどうだろうか。」  意識はかろうじてまだ残っている。  『サンエクスプロージョン・ノヴァ!』  太陽のような玉が俺の近くにいくつも生成される。  「なんだこの莫大な魔力の多さは魔王化の四之段でこれほどとは。っとうかうかしてられないね」  そして片っ端から殴ったり蹴ったりして学園長に飛ばしていく。  「流石に某でもこれは大仕事になりそうだな、こんなに大変なら受けなきゃ良かったよ」
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