第一部 11章 木屋

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 俺達と林先生が実習室に向かうが後ろにクラス全員が付いてくる、そりゃ見てるだけならいいが準備となるとみんな面倒臭がるからだ。  「しかしみんなこっちに来るなんてな、それで木屋って誰なんだ」    普通なら俺らの集団に入っているのだが、全くわからない。  「私を探しているのかヘイボーイ」  後ろからぬるりと出て来たのは先程のセリフとは思えないくらいの超清楚な女の子だった。  しかも棒読みだし、どゆことだ?  「ユーが焚木春児、ミーは木屋 静華、よろしくだゼ」  一体何なんだこの子は。  「ハハッなんややっぱり木屋さんに戸惑っているのか、彼女は普通に話すのが恥ずいから無理やりラップ調にして話しとるんや。普段はこんなんやけど気まぐれですごいの見れることあるで」  前を歩く林先生が察したように木屋の事を説明する。  見た目は銀髪のロングで完璧にお人形のような外見なのに中身はラッパー?  一体どんな使い手なんだ?  ますます彼女のことがわからなくなってくる。    そうこう考えているうちに実習室についてしまう。  「さて、選手の5人を2つのチームに分けるで最初のチームは苗木、森宮、神木。もう片方が焚木と木屋や、」  ん、アッチは3人、こっちはふたり?  「ちょっと林先生、アッチ反則じゃないですか3人なんて!」  「全属性使えるあんさんが何言うとんねんハンデや」  抗議した途端即却下されてしまった、それにしても木屋とは初対面なのにコンビかよ。  「ほなら10分後に開始や、それまで作戦考えてや」    それぞれのチームに分かれて作戦を立てる、こっちは2人だが。  「木屋さん、最初にあんたの主属性は何なんだ?」  まず作戦を立てるにおいて重要なことを聞く。  「私の主属性は雷だぜ、食らえばビリビリでうごけないそれ即ち勝利ね」  それなら若葉さんと同じ作戦のたてかたでいいのか、少し楽だな。  「やーだー春ちゃんと戦いたくなーいーなんであっちに行けないのー!」  「決まったんだから静かにして!作戦立てられないじゃない!」  あっちはあっちで相当大変そうだな。
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