第一部 11章 木屋

3/7
前へ
/32ページ
次へ
 林先生が腕時計で時間を確認すると両チーム見て声をかける。  「ほな時間や、両チーム中央に頼むで。」  中央に行こうとした時袖が引っ張られる、後ろを見ると木屋が摘まんでいた。  「ヘイ私の事は名前で呼び捨てでオーケー。私とユーはチームメイト、勝とうぜメーン?」  「ああ、静華!勝ってやろうぜ」  そして相手チームを見ると作戦は余り立てられないようで夏鈴が落ち込んでいる。  ま、まぁ一番疲れただろうな。  「因みにルールなんやけどチームが0になったチームが負けや、リタイヤは僕が治癒したるさかい存分にやったってや?」  そしては林先生がスイッチを押すと俺らの空間に結界が発生する、そしてもう1つのボタンを押す。  「始めっ!!」  その言葉に俺以外の全員が後方へ一旦下がる、俺はこうなると思って前に出た。  狙いはあの中で一番の実力者は美秋、アイツがチームの要だ。アイツを先に倒せばこっちにも勝機が見える。  「なっ春児なんでそんな早くっ!?もしかして足の裏に雷魔法で磁力を」  そして瞬時に美秋に近づき  『炎神・炎牢獄!』  床に手をつき俺もろとも美秋を炎の牢獄に閉じ込める。  「流石ね、始まったと同時に2つの術式を使うなんて」  美秋は比較的冷静でいる、流石に動じると思ったが。でも声からしてほかの二人は混乱している。  「今は2つだがじきに6属性同時に使ってみせるさ、さぁ俺の仕事は美秋をリタイヤさせる事なんだが。早くしないと静華が大変な目に合うからさ」  流石にそう簡単には行きそうにないよね。  「そう、というか熱すぎるのだけれど。」  『じゃあ水やるよ。水神・水縛奏葬!』  瞬時に美秋を水で包み上げる、しかし風魔法で吹き飛ばされる。  弾けた水が炎の壁に当たり蒸発していく。        「風魔法って便利だね、応用が利くしさ。けど氷魔法には勝てないよね?」  そして美秋はなにか違和感に気付き足元を見ると氷が足を凍らせて動けなくしていた。  「これは氷の中に樹木が!」  『樹氷奏調』  すると床の中から樹氷が出てきて美秋の身体を縛り付ける。  「神木、戦闘続行不可でリタイヤ!」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加