第一部 11章 木屋

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 真っ先にリタイヤしたのは一番実力のある美秋だった、模擬戦でなければ何かしら仕掛けていただろうが。  「私が負けるなんてね、術式の連携が格段に上手くなったわね。さすが魔王様」  術式を解除し少し話をする。  「こうでもしなきゃ勝てないんでね、これが殺しあいだったらもっと時間かかってたよ」  そして炎の牢獄が消えると静華の方はかなり苦戦していた、殆ど攻撃できずに防戦一方。  衣吹の主属性は地か、雷の静華とはかなり相性が悪い。  「夏鈴ちゃん!そのまま押し切れば勝てるよこの女狐に!」  あの二人はかなり連携取れていてやるのが面倒だな。  『捕まえる。地霊・ゴーストグレイブ!』  3本の根が静華を捕まえるため追いかける、それに静華は逃げるしかない。  ギリギリで逃げている静華だが突然足元にある水で体勢が崩れる、夏鈴の魔法だ。  そして静華は根に捕まってしまう。    「木屋行動不能でリタイヤ!」  あちゃー少し遅かったか。  あの二人は案外コンビネーションできてる。二人はハイタッチをしてこちらの方を向く、そして愕然とする。  「え!美秋ちゃんがリタイヤ、あの美秋ちゃんが!?」  「流石私の愛しき旦那様ー!神木なんか負けて当然よ」  「それがリーダーに言うセリフかよ衣吹。静華悪い、時間かかって後のふたりは俺が何とかする。静華が稼いだ時間は無駄にはしないから!」  そう言うと静華はグッドサインを出した。  「さて二人共、これは勝負だ。俺は手加減しないで持てる力をすべて駆使する美秋のようにな。」  美秋を使ったちょっとした脅しだが話して乗るか。  「美秋ちゃんもリタイヤさせるような組み立て方、それにあたしが付いていけるかな。」  夏鈴の方はだいぶ効いているみたいだが、果たして衣吹は。  「私あなたと戦いたくないのーだからー降参してくれないかしら旦那様?」  衣吹に関しては全く聞いてねぇし!!  ここらで得意の炎冥も騙した口八丁を見せるかな。  
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