第一部 11章 木屋

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 夏鈴は結界の外にいるフラフラしている衣吹の姿を見て呆れるように言う。  「ほんっと人を騙すのがうまいよね、流石ペテン師。ずっと話してると騙されそうだからすぐ攻撃するよ!」  そして夏鈴はすぐ詠唱を行う。  あらら、夏鈴も騙そうとしたんだが失敗しちゃった。  『行くよ春児!水龍・水龍牙』  水で出来た龍が目の前に現れこちらに襲ってくる。  「避けるのは簡単だな案外。」  横に飛んで避ける。しかし龍はこちらに曲がってくる。  「んだよこれ操作龍かよ!」  飛んでいて無防備な俺に龍牙が襲いかかる。  こんな龍凍らせてやる!  龍に手をかけた瞬間。  「ガッ!この龍に雷属性付与してんのか、これじゃ凍らせねぇ!」  そして壁に激突する。  「あたしだって訓練してる!そう簡単には勝てると思わないでよ!」  確かにナメてかかると痛い目見るな、腹と背中が痛い。  「もう一回行くよ!水龍・水龍牙!」  再度龍が俺に向かってくる。  『2度使ったら負けだよ夏鈴。アイシクル!』  床から突き出た氷柱が水龍の頭を貫く、そしてたちまち水龍は凍りづけになってしまう。  「もうどういう性質かわかった。これでお前の水龍は終わりだ。」  水龍の目の前に立ちインパクトで破壊する。  「そんな、あたしの水龍がこんな簡単に」  隙だらけだ、夏鈴。  そして夏鈴が詠唱の構えをとった瞬間に樹木がその身体に巻きつき拘束する。  「苗木行動不能で、」  林先生がリタイヤを言い渡そうとした時、樹木が焼かれて夏鈴は光束から逃れた。  「私の副属性は火よ、勝った気でいると痛い目見るよ春児!」  「面白え、やってみな夏鈴!本気で行くぜ!」
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