尼君

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思えば自分は家というものに縁が薄い。 記憶のないうちから父母を亡くした。 青年期には姉夫婦の所に入り浸ったり、奉公に行ったりと根なし草の様に生きてきた。 だとすれば今のーーー... “鬼の副長”の座が自分には最も相応しいのかもしれない。 幹部だろうが、平隊士だろうが、浪士だろうが遠慮もなにもなく葬り去ってきた。 隊内でも土方を恨む者は少なくなかった。 そんな中、計らずとも出来てしまった勝には心救われるものがあった...のに 「くそ!」
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