第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「すんません、匂いますよね」 「あ、いえ」 「本に集中してたところを…匂いが邪魔してしまって」 「いえ、そんな」 「……さっき駅前に新しくできてたんですよ。せっかくこの町に店出してくれたんだし、つぶれないようにと思って」 「あ、それなんか分かります」 「ですよね!あっ、これ僕が全部食べるんじゃないですよ。ついつい買いすぎて。僕そんな好きじゃないし」 「……」 「……」 ギュルルル 「……」 「……ひとつ、食べます?」 香ばしいソースがかかった、丸い食べ物。 「あ、そっちソースかかってないすね。ちょっと僕のを」 たこ焼きとたこ焼きで、乾杯。 ふたりのなにかのはじまり。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加